少し遅くなりましたが、8月に**「ぬくぬくカフェ鷹野」**でお話をさせていただきました。
当日は15名ほどの方にお越しいただき、今回のテーマは、
「もの忘れと認知症の違い」
年齢を重ねると、
「最近、人の名前が出てこなくて……」
「何を取りに来たのか忘れちゃった!」
「これって認知症かしら?」
そんな心配をされる方も少なくありません。
でも、もの忘れをしたからといって、すぐに認知症というわけではありません。
「昨日の夕飯、何を食べましたか?」

講演では、こんな例を挙げました。
「昨日の夕飯、何を食べましたか?」
加齢によるもの忘れの場合、
「えーっと……何だっけ?」
と考えているうちに、
「あっ、カレーだった!」
と思い出すことがあります。
つまり、「夕飯を食べた」という出来事そのものは覚えているんですね。
一方、認知症では、
「昨日の夕飯?食べてないよ」
というように、食べたという出来事そのものが記憶から抜け落ちてしまうことがあります。
この違いをお話しすると、皆さん「なるほど~」という表情。
認知症になっても「できること」はたくさんあります
そして、私が一番お伝えしたかったのはここです。
認知症になったからといって、その人がその人でなくなるわけではありません。
好きな歌を覚えていたり、昔の仕事や料理、裁縫など、長年やってきたことは驚くほど上手にできることがあります。
これは、かりんとうでも日々感じていることです。
先日も、ご近所からいただいた枝豆をお願いしたところ、利用者さんたちの手の速いこと、速いこと!
あっという間に終わってしまいました。
だから私たちは、
「できないこと」を探すのではなく、「できること」を一緒に見つける。
そんな関わりを大切にしています。
私がいつもお伝えする、高齢者に大切な「3つ」
「きょういく・きょうよう・ちょきん」
そして講演のたびに、私が皆さんにお話ししていることがあります。
「教育・教養・貯金」の話ではありません(笑)。
きょういく → 今日、行くところがある
きょうよう → 今日、用事がある
ちょきん → 筋肉を貯める
年齢を重ねても、「今日はここへ行こう」「今日はこれをしよう」という予定や役割があること。
そして、自分の足で動き続けるための筋肉を少しずつ“貯金”しておくこと。
私は、この3つをとても大切だと思っています。
デイサービスに出かけることも、地域の集まりに参加することも、お友達とお茶をすることも立派な「きょういく」と「きょうよう」です。
お薬をもらったら、携帯電話で写真を!
もう一つ、皆さんにおすすめしたのが、
「お薬をもらったら、携帯電話で写真を撮っておく習慣をつけましょう」
ということ。
お薬手帳を持つことはもちろん大切ですが、いつでも手元にあるとは限りません。
特に地震などの災害で急に避難することになり、いつもの薬やお薬手帳を持ち出せなかった時。
普段飲んでいる薬が分かる写真が携帯電話に残っていれば、医療従事者に伝えるための手掛かりになります。
「薬をもらったら写真を撮る」
難しいことではないので、ぜひ日頃から習慣にしていただければと思います。

認知症になっても、その人らしく
認知症について知ることは、怖がるためではありません。
「最近ちょっと様子が違うな」と感じた時には、「年だから仕方ない」と決めつけず、早めにかかりつけ医や地域包括支援センターなどへ相談することも大切です。
そして認知症になっても、できること、楽しめること、誰かの役に立てることはたくさんあります。
今回のぬくぬくカフェ鷹野も、まさに、
「今日、行くところがある」
「今日、用事がある」
そんな地域の大切な場所の一つだと思います。
15名ほどの皆さんと、笑いも交えながら楽しくお話しすることができました。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!
「きょういく・きょうよう・ちょきん」
これからも、講演のたびにしつこく(笑)、お伝えしていきたいと思います。

ぬくぬくカフェ鷹野
毎月第1水曜日午後1時~2時半
都営住宅野崎アパート集会所
参加費 100円