昨日は、三鷹市で開催された**第14回「認知症とともに生きるまち三鷹」**に参加してきました。

三鷹市では、認知症の方やご家族を地域で温かく見守っていけるまちづくりを進めており、今回のイベントもその取り組みの一つです。 三鷹市公式サイト
会場には事前申し込み制だったので、一般市民の方も多く参加されているように感じました。
「認知症」を専門職だけの問題ではなく、地域みんなで考える、市民みんなで考える。
そんな雰囲気の会でした。

認知症の「当事者」だからこそ伝えられること
前半は、
「認知症とともに生きるまち三鷹を考える」
というテーマのパネルディスカッション。
登壇されたのは、認知症当事者の鈴木敏明さん、ご家族を介護されているお二人、そして地域包括支援センターの職員の方でした。 三鷹市公式サイト
中でも印象に残ったのが、鈴木さんのお話です。
鈴木さんご自身が認知症と診断され、そのことを受け止めながら生活されています。
そして今は、病院で新たに認知症と診断された方に、当事者だからこそできるサポートをされています。
認知症と診断された直後、
「これから自分はどうなってしまうんだろう」
ご本人はもちろん、ご家族も大きな不安を抱えると思います。
そんな時に、同じ経験をした人が目の前にいて、話を聞いてくれる。
そして、その人が笑顔で生活している。
それだけでも、ご本人やご家族にとって、どれほど心強いことでしょう。
「認知症になったら、支えてもらう側になる」
だけではありません。
経験したからこそ、今度は誰かを支えることができる。
今日の鈴木さんのお話を聞いて、改めてそう感じました。
介護する家族にも「話せる場所」が必要
ご家族を介護されている方のお話の中では、三鷹市社会福祉協議会が行っている**「介護者ひろば」**についてのお話もありました。
私も時間が合う時には、できるだけ参加しています。
介護者ひろばの良さは、
「介護をしている人同士だから分かることがある」
ということ。
家族だからこそイライラしてしまう。
これでいいのか分からない。
こんなことで困っているのは自分だけ?
そんなことも、同じように家族を介護している人には話せることがあります。
そして、
「うちの時はこうしたよ」
という先輩介護者からのアドバイスがあったり、介護の専門職から助言をもらえたり。
実際に介護されている方からも、介護者ひろばに助けられたというお話がありました。
三鷹市社会福祉協議会では、地域で「介護者ひろば」を開催しています。

私にとっても、大切な勉強の場
私が介護者ひろばに参加する理由は、もう一つあります。
それは、
「ご家族は何に困っているんだろう?」
「何が一番大変なんだろう?」
ということを知るためです。
介護の仕事をしていると、どうしても「支援する側」から物事を考えてしまうことがあります。
でも、ご家族にはご家族にしか分からない大変さがあります。
当事者には、当事者にしか分からない気持ちがあります。
実際の声を聞くことで、
「こういうことに困っているんだ」
「ここをもっと支えられたらいいな」
と気づくことがたくさんあります。
利用者さんだけを見るのではなく、その方を支えているご家族のことも考える。
かりんとうのケアにも生かしていきたいと思っています。
後半は映画『ファーザー』
後半は、認知症をテーマにした映画**『ファーザー』**の上映会でした。
認知症によって、過去の記憶と今起きていることとの境界が曖昧になっていく80歳の男性と、その娘を描いた作品です。今回のイベントでは、パネルディスカッションと合わせて上映されました。 三鷹市公式サイト
昨年の**『父と僕の終わらない歌』**に続き、認知症について考える映画を観る機会となりました。
認知症について、文章や講演で学ぶのとはまた違い、映画だからこそ感じられるものがあります。
機会がありましたら、ぜひご覧になってみてください。

「認知症になっても、その人はその人」
9月は認知症月間。
このブログでも今月は、認知症について何度か取り上げてきました。
認知症について知ること。
当事者の話を聞くこと。
介護するご家族の話を聞くこと。
そして、地域にどんな支えがあるのかを知ること。
その一つひとつが、**「認知症になっても安心して暮らせる地域」**につながっていくのだと思います。
かりんとうでも、
「できないこと」ではなく「できること」を見る。
その人の好きなこと、得意なこと、役割を大切にする。
そして、ご家族の気持ちにも目を向ける。
今日聞かせていただいたたくさんの「生の声」を、これからの日々のケアに少しずつ生かしていきたいと思います。